INTERVIEW 02

移住は人生を考えるきっかけ
一軒家リモートワーカー

星加 慧
星加 円

  • 憧れの一軒家リノベーションが実現

    東青梅駅から徒歩10分、坂の上に立つ庭付き一軒家。2020年に星加夫妻は、このこぢんまりとアットホームな家に移住してきた。その家は住人たちよりはるかに年を重ねているが、愛情たっぷりに手を加えられどこかうれしそうに見える。「ずっとマンション住まいだったので、いつか一軒家に暮らしたい、自分の手でリノベーションがしたいと思い続けていました」と慧さん。張り替えられた床、塗り替えられた漆喰の壁、目に映るそこかしこに移住を決めたふたりの思い出が詰まっている。

    新しい働き方で自由を手に入れる

    2022年のいま、“移住×古民家リノベーション”は、ミレニアル世代憧れのライフスタイルのひとつだが、ふたりの背中を押したのは“新しい働き方”の到来だった。「ふたりともリモートワークになり、もっと広い部屋で、もっと自然の近くで暮らすのもいいと思って。マンションを購入して住宅ローンに縛られて都心で働く人生は、ちょっと違う。もっと自由に私たちらしい暮らしが今ならできる!と思いました」と円さん。移住後に、より自由な働き方を求めて、リモートワーク率が高い生活にシフトしたふたり。円さんの仕事部屋には大好きな本が、慧さんの仕事部屋には大好きなギターがずらりと並び、好きなものだけに囲まれた自分の城をふたりは青梅市で手に入れた。「リモートワークといえば、カフェで仕事をする人も多いですが、青梅市のカフェは店主とおしゃべりして癒やされる場所。仕事をする場所じゃないんです」と円さんは笑う。

    都心から離れても友人たちが集まる家

    仕事はリモートでできても、友人たちとの交流は画面越しでは味気ない。そんなこともわかってしまったこの数年、移住に後悔はみじんもないのだろうか。「それが予想以上にみんなおもしろがって遊びに来てくれるんです。一軒家をリノベしたこと、庭でBBQができること、隣人を気にせずホームパーティができること。青梅市に来て、友人たちと集まる理由がたくさんできました。小旅行気分で遊びに行けるから楽しい!と言ってくれる友人もいるほど」と慧さん。共通の友人が多いふたりは、“距離”という壁をも楽しんでいる。

    うれしい誤算がもたらした豊かな暮らし

    そんな庭BBQで好評なのが、青梅野菜たち。円さんは、無農薬や地産地消にこだわる農園「Ome Farm」をサポートするC S A(Com munity Supported Agriculture/地域に支られた農業)プロジェクトに参加。農園を前払いでサポートすることで、その返礼品として旬の農産物を受け取る仕組みだ。「農園の方が土のついた野菜を直接持ってきてくれるんです。野菜くずはコンポストに入れ、その堆肥を農園に返す。我が家で作れる堆肥は微々たるものですが、ささやかでもその循環の輪の中に入れたことがうれしいんです」。リモートワークに疲れたら、近所にあるハイキングコースを歩こうか、木造ミニシアター「シネマネコ」で映画でも観ようか、お気に入りのカフェでマスターとおしゃべりしようか、選択肢がありすぎて困る日も。「青梅市移住には、うれしい誤算がありましたね」とふたりは笑顔で語ってくれた。

    Profile

    星加 慧 |会社員
    星加 円 |会社員

    慧さんは愛媛県出身、30代、製造系企業の会社員で現在は週に2回の出勤日あり。円さんは神奈川県出身、30代、IT企業の会社員で現在はフルリモートで働いている。2020年に青梅市に移住。リノベした一軒家で、お互いの仕事場を確保しながら暮らしている。この家の庭で出会ったという愛猫サバチは、青梅暮らしをさらに楽しくしてくれる存在だ。慧さんのお気に入りスポットは、「河辺温泉梅の湯」。円さんは、ミニシアター「シネマネコ」がお気に入り。

     

    取材:2022年8月

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    老舗「寿々喜家」4代目店主