プロレスラーHARASHIMA

DDTプロレスリングを代表する選手として、長年リングに立ち続けているHARASHIMA(はらしま)さん。「なんでかって?それは、鍛えてるからだー!」の決めぜりふでも親しまれています。
父親の仕事の都合で、中学生のときに青梅市へ。高校、大学へも青梅から通い、これまで暮らした街の中で最も長い時間を過ごしました。現在も家族のもとを訪れ、子どもと自然の中で過ごすことがあるといいます。
山や川で身体を動かした記憶、そして2025年に実現した初めての地元凱旋興行。HARASHIMAさんにとって青梅とは、どのような場所なのでしょうか。

父親の仕事の関係で、それまでは4年くらいごとに引っ越していました。幼稚園も小学校も中学校も、それぞれ2か所ずつ通っていて、本当に“転校生”だったんです。
青梅には中学2年生から住み始めて、高校、大学へも青梅から通っていました。それまで暮らした場所の中で一番長く住んだのが青梅なので、「地元はどこですか」と聞かれたら、僕の中では青梅ですね。
青梅マラソンですね。父親がずっと出場していたんです。スタート地点は大勢の人で混み合うので、一緒に会場まで行って、父親の荷物を預かって、いったん家に帰る。それからゴールする時間に合わせて、また迎えに行くということをしていました。
父親だけでなく、妹も走っていました。でも、僕自身は青梅マラソンに出たことがないんです。短距離は好きなんですけど、長距離はあまり好きじゃなくて。

そうなんです。自分が成人式を迎えた体育館で、プロレスの大会をやることになるとは思っていませんでした。昔からある体育館ですけど、そこで地元凱旋興行ができたのは、やっぱり感慨深かったですね。
数か月に一度くらいは帰っています。子どもを連れて行って、虫捕りをしたり川遊びをしてます。
電車も以前より便利になりました。乗り換えがスムーズになったり、グリーン車が利用できるようになったりして、都心から帰りやすくなったと思います。
青梅に帰ると、やっぱりのんびりしますね。自分の中のモードが自然と切り替わるというか。家族がいて、思い出がある。そういう意味でも、青梅は僕にとって「ふるさと」なんだと思います。

左:透明度の高い多摩川の水 右:あの岩の上で日光浴してましたと語るHARASHIMAさん
釜の淵公園が大好きです。夏に行くのが好きで、以前は甥や姪を連れて、よく川遊びをしていました。僕は河原に寝転がって、プロレスラーらしく日焼けをしながら、ふたりが遊んでいるのを見ていました。
思い返してみると、甥や姪が生まれる前から行っていましたね。大学生の頃や、プロレスを始めたばかりの頃も、夏の晴れた日に時間があると河原へ行っていました。セミの声と川の音を聞きながら過ごすと、すごくリラックスできるんです。
トレーニングというより、遊びの延長に近いですけどね。
河原の石の上を歩くだけでも、平らな道とは違います。足元が不安定なので、バランスを取ろうとして自然に体幹を使う。身近に山もあったので、探検するように歩き回って身体を動かしていました。川や山へ遊びに行くこと自体が、自然とトレーニングにつながっていたんだと思います。
DDTのトレーニング映像を、青梅の自然の中で撮影したこともあります。山で丸太を持ち上げたり、川の岩の上で逆立ちをしたりして、ちょっと武術映画みたいな映像になりました(笑)。
もともとは、まわりの人を安心させるために言っていた言葉なんです。大学時代に学生プロレスをやっていて、試合を見た親や友人から「そんなにやられて大丈夫なの?」と心配されていました。そのたびに、「鍛えているから大丈夫だよ」と答えていたんです。
プロになってからも、試合後に心配されたときに「大丈夫」と伝えたくて言ったのが始まりでした。それが、お客さんから「なんで?」と聞かれて、「なんでかって?それは、鍛えてるからだー!」と返す、今の形になっていきました。
プロレスラーだから、身体を鍛えるのは当たり前なんですよね。だから今は、身体だけでなく心も鍛えているから大丈夫、という意味もあります。みんなを安心させる言葉が、いつの間にか僕の決めぜりふになったんです。
プロレスが楽しいからだと思います。毎回違う場所で、いろいろな選手と試合をしますけど、本当にいつも楽しいんです。
応援してもらえるのもうれしいし、試合に勝ったらさらにうれしい。負ければ悔しいですけど、「また頑張ろう」と思えます。仕事としてやっていることを、ずっと楽しいと思いながら続けられているのは、すごく幸せなことだと思っています。

大会のポスターを持って青梅大祭へ行ったんですけど、その日が台風のような大雨だったんです。露店は並んでいるのに、歩いている人がほとんどいなくて。ずぶぬれになりながら、地元の方たちにご挨拶して回りました。
そうしたら、「こんな大雨なのに来てくれてありがとう」と、逆に感謝してくれる方がいたんです。一般のお客さんにはあまり会えませんでしたが、地域のいろいろな方とつながるきっかけになりました。
初めて青梅に引っ越してきたときに、青梅大祭を見て。町ごとに山車を出して盛り上がる光景がすごいと思いました。そういう地域の熱量は、青梅ならではだと思います。
話を聞いてみると、「DDTの大会があるから、初めて青梅に来た」というプロレスファンと、「近くでやるから、初めてプロレスを見に来た」という地元の方が、半々くらいだったんです。
地元の方からは「プロレスって楽しいね」と言ってもらえましたし、いつもDDTを見てくださっている方からは「青梅って意外と近いんだね」と言ってもらえました。
プロレスファンには青梅を、青梅の方にはプロレスを知ってもらう。その両方のきっかけが生まれたのが、すごく面白かったです。

前回開催した青梅凱旋大会2025の様子
去年だけで終わらず、今年も開催できることになって本当によかったです。青梅には青梅大祭、青梅マラソン、納涼花火大会という大きなイベントがありますよね。青梅でのプロレス大会も、その次に続く“4つ目”の恒例行事にできたらいいなと思っています。
去年、初めてプロレスを見て楽しんでくれた方の声をたくさん聞きました。生で見ると、音も迫力も、映像で見るのとは全然違うと思います。今年も、プロレスを初めて見る方にぜひ会場へ来てもらいたいですね。

青梅駅近くにある「青梅麦酒」。青梅でつくられるクラフトビール・VEPAR(ベイパール)も楽しむことができる
自然を紹介できる場所はたくさんあります。「HARASHIMAと行く青梅自然巡り」のような、ファンミーティングを兼ねた企画も面白いですよね。
DDTは、リングがない場所でも試合ができる団体です。これまで、商店街や新幹線の車内など、さまざまな場所で試合をしてきました。青梅線のアドベンチャーラインで“電車プロレス”という構想もあります。実現したら、青梅らしい面白い企画になると思います。
青梅には地酒も地ビールもありますよね。僕はお酒が好きで、季節やシチュエーションに合わせて楽しんでいます。暑い夏の日に飲む冷たいビールは、やっぱり最高です。
プロレスを見に青梅へ来て、自然に触れたり、街を歩いたり、最後に青梅のお酒を楽しんだり。大会とあわせて、青梅で一日楽しんでもらえたらうれしいですね。

山や川の中で培ったしなやかさをリングへ。そして、プロレスを通して青梅に新しい人を呼ぶ――。2026年9月23日の凱旋興行は、青梅大祭、青梅マラソン、納涼花火大会に続く“新しい熱狂の場”を育てる、次の一歩になりそうです。
HARASHIMA | プロレスラー
1974年生まれ、東京都出身。中学2年生から大学時代まで青梅市で暮らす。大学のプロレス研究会を経て、2001年8月にプロレスデビュー。DDTプロレスリング所属。どのような試合形式にも対応する順応性と鍛え上げた肉体を武器に、KO-D無差別級、KO-Dタッグ、DDT EXTREMEなど数々の王座を獲得してきた。得意技は蒼魔刀、山折りなど。「なんでかって?それは、鍛えてるからだー!」のマイクアピールで親しまれている。2026年9月23日から、青梅市の魅力を発信する「OmeBluePR大使」に就任予定。
(大会情報)
株式会社三興製作所 青梅 presents HARASHIMA凱旋!~また青梅で大会やるさー!なんでー?地元だからだー!~
開催日:2026年9月23日(水・祝)
時間:開場13時/開始14時
会場:東京・住友金属鉱山アリーナ青梅・第1スポーツホール
詳細・チケット購入:https://www.ddtpro.jp/schedules/6a1bf58d6365b600020ad6cd
※取材:2026年7月