INTERVIEW 01

多摩川への恩返し
釜の淵リバークリーンの発起人

伊東 秀二
伊東 由宥子

  • リバークリーンという恩返し

    川遊びやバーベキューにはまだ早い日曜朝の釜の淵公園に、子どもたちの元気な声が響き渡っている。伊東夫妻が発起人となり2021年にスタートした、釜の淵リバークリーン。毎月2回、第1日曜と第3土曜の朝7:30からと8:30からの2部制で釜の淵公園のごみ拾いをボランティアで行っている。きっかけは散歩中のできごとだった。「橋の上から見下ろすとゴミの多さが目につき、せっかくの自然が残念だね…とよくふたりで話していたんです。そんなとき初老の男性がひとり、黙々とゴミを拾う姿が見えて。お礼を言おうと話しかけたら、“多摩川が好きだからね〜”と笑顔でひと言。目が覚める思いでした」と語る夫の秀二さん。そんな大人に自分達もなりたいし、そんな背中を子どもたちにも見せたい! いつも遊ばせてもらっている多摩川に恩返しがしたい!と、ふたりは立ち上がった。

    ゴミ拾いの場は、いつしかコミュニティの場に

    回を重ねるごとに町内や市内在住者はもちろん、多摩川下流の調布市や大田区の在住者が“多摩川上流をきれいにしてくれてありがとう”と参加してくれるまでになった。複数の団体がリバークリーンを行っているが、釜の淵リバークリーンの特徴は、子どもの多さ。「主催者の私たちが5歳と2歳の子を連れていることもあり、子育て世代の参加者が増えました。なかには不登校のお子さんと参加してくれる方もいて、この場所で友だちができた!といううれしい声も。我々のように市外から来た子育て家族は、近くに親がいないので子どもを預けることができません。そんなとき、この場所で仲良くなった地元のおじちゃん・おばちゃんや、同じ子育て世代家族は子育てを助けてくれる心強い味方です」と由宥子さん。

    青梅での子育ては、もちつもたれつ

    東京・国立市に暮らしていたふたりは、子育てに最良の場所として青梅を選んだ。「都心へのアクセスがよく、自然が多い場所を求めて青梅へ。東京駅と青梅駅の間をつなぐ特急おうめが走り、始発駅で座れるので国立から都心へ通っていたときよりも体が楽なんです」と秀二さんは笑う。片方が都心へ出向く日は、もう片方は子どもの世話をしながらリモートワーク。お互いのスケジュールを調整しながら仕事と子育てを両立している。でも、2人とも都内に出る日や予想外に帰宅が遅くなる日も、もちろんある。由宥子さんは「そんなときは、同じ年ごろの子ども達を育てる地域の仲間に子どもを預かってもらい、食事やお風呂の面倒をみてもらうことも。困ったときはお互いさま、負担を掛け合える関係をよしと思ってくれるのが、青梅に住む人のよさかもしれません」と微笑む。

    自然と人と触れ合いながら青梅に生きる

    当初、青梅暮らしは長女が小学生になる頃までか、どうしようかと迷っていたふたりだが、2年前に戸建てを購入し定住を決めた。決め手は、“のめっこい”青梅の人のよさ。「“のめっこい”とは、人懐っこい・お世話好きという意味で、青梅に住む人の気質をよく表わしています。私たち家族も何度も“のめっこい”青梅の人たちに助けられました。川や山遊びが好きなことはもちろん、人が好きで人との交流が大好き!という人なら、もれなく青梅暮らしを楽しめますよ」と笑うふたり。青梅の人のよさは、想像以上だったと語ってくれた。青梅で7年目の春を迎える“のめっこい”ふたりが言うのだから、間違いなさそうだ。

     

    Profile

    伊東 秀二  |会社経営
    伊東 由宥子 |会社経営

    秀二さんは東京都立川市出身、50代。由宥子さんは兵庫県出身、40代。ともに企業研修や人材開発支援を行う会社を経営している。2016年に青梅市に移住し、現在はふたりの子どもと一軒家で4人暮らし。子どもたちはともに、青梅生まれ・青梅育ちだ。ふたりのお気に入りスポットは、「永山丘陵ハイキングコース」。何度かカモシカに遭遇したこともあるとか。

     

    取材:2022年9月

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