INTERVIEW 08

木の声を聞きオーダー家具を作る
木工家具職人

森井 隆介

  • 旧青梅街道に新しい風を吹き込む木工家具店

    「執事(=BUTLER/バトラー)のように生活に寄り添う木工家具を作っています」と語る森井さんは、オーダーメイドの木工家具店「BUTLER」の店主兼家具職人。2017年、JR青梅駅から徒歩5分ほどの場所に、念願の工房とショールームを構えた。青梅の目抜き通り・青梅街道沿いにある店舗は、古くから続く老舗と肩を並べながら、商店街に新しい風を吹き込んでいるように見える。青梅市在住14年になる森井さんは、兵庫県の出身。青梅市に移住した理由とは?

    子どもの誕生がライフスタイルを考えるきっかけに

    大学進学を機に兵庫県を出て、大学生から社会人にかけて10年ほど東京都国分寺市で暮らしていた森井さん。大学では彫刻や木工を学び、家具職人を目指し家具メーカーで働き、独立に向け研鑽を積む日々。「結婚して子どもが生まれて、より静かで自然の多い場所で暮らしたいと思いました」と微笑む。家族が増えたことをきっかけに、独立することも決め、住まいと店舗探しが始まった。国分寺駅から青梅駅までは、電車で40分程度。何度か多摩川でのバーベキュー経験があり、自然豊かな青梅線沿線を狙いに定めた。そんななか、青梅市主催の起業相談会で「おうめ創業支援センター」を訪れた際、センター内の掲示板に貼られていた物件情報が目につき、これが運命の出合いとなった。

    ひと目惚れした空き物件で開業を決意

    奥が印刷工場で手前がハンコ屋だったという空き物件は、工房兼ショールームの店を開業しようとしていた森井さんにはぴったりの物件だった。ここしかない!という直感に導かれ、青梅に店舗を構えることを決めた森井さん。「より静かな場所、より自然が多い場所を求めていたので、ここならどちらも叶うと思い不安もなかったですね」と当時を振り返る。木工家具作りは、それなりに音が出るので住宅地での開業は難しく、広さも必要だ。1年ほどじっくり時間をかけて店舗を作り、2017年に無事「BUTLER(バトラー)」を開業。6年経つ今は、林業関係者の知り合いができ、職人やアーティストと横のつながりもでき、仕事がやりやすくなったと語る。また、目の前を走る旧青梅街道は、毎年5月に行われる「青梅大祭」の山車が練り歩く通りでもあり、初めて見たときはその迫力に感動したという森井さん。青梅大祭は、毎年必ず家族みんなで店の前で眺めたい“地元”の祭りになった。

    青梅は、働きやすく・子育てしやすい街

    開業と同じくらい子育てにも注力したい夫婦にとって、教育や医療環境もあり、自然が身近にある青梅は最良の場所に感じたといい、「逆に都心から離れることは気にならなかった」と笑う。車をもつ子育て世代なら活動範囲が広がるため、都心にいるよりも子どもを遊ばせる場所に困らないだろうと教えてくれた。現在、3児の父となった森井さんが言うのだから間違いない。今後の展望を尋ねると、「青梅の木材を使った家具や小物類を増やしながら、子どもの手が離れたら山歩きを楽しみたいですね」と答えてくれた。

    仕事と子育てを両立するのは難しいというが、家具作りにも子育てにも真摯に向き合い楽しむ森井さんは、まさに“ワークライフバランス”を叶えているように見える。そんな森井さんが青梅で作り出す、木工家具の“これから”に注目したい。

    Profile

    森井隆介 | 木工家具職人

    兵庫県出身の40代。高校・大学と美術を専攻、卒業後は家具メーカーに勤務し、2017年にオーダーメイドの木工家具店「BUTLER」を青梅にオープン。夫婦で3人の子どもを育てながら青梅に暮らし、14年目を迎えた。お気に入りスポットは、子どもの野球の応援に行くという「青梅市民球技場」。多摩川がすぐ近くを流れ、川沿いでひと休みできるのでおすすめ。

     

    取材:2023年3月

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