INTERVIEW 22

1日で青梅移住を決断。
ひとめぼれしたまちで暮らしを楽しむ家族

秋山 敬二
秋山 真希

  • 緑が鮮やかで、歴史があるまちへの移住を即断即決

    「青梅市への移住は1日で決めました」と語るのは秋山敬二さん、真希さんご夫妻。2013年、穏やかな山並みが続く青梅丘陵のふもとに、風格のある木の家を建てて、青梅での暮らしをスタートさせた。

    青梅へ移住するきっかけとなったのは、そもそも「家」からだった。仕事が忙しく、西東京市で職住隣接のアパート住まいだったというふたり。ゆくゆくは家を……と考えていたときに、たまたま訪れた住宅展示場で出合ったのが重厚な木の質感を活かした、温もりのある内観が魅力的なこの家だった。「ひとめぼれして、すぐに契約してしまったんです(笑)」と敬二さん。

    この家に似合うロケーションとして「木が多く緑があふれる、自然豊かな環境」を不動産業者に相談。「おすすめという場所を、1日かけて見学に行ったんです。多摩地区周辺の土地を、10か所近く見て回りました」と敬二さん。そして、またしても「ひとめぼれ」したのが「青梅」。「景色にひとめぼれしました。とにかく緑の色が違ったんです」と敬二さん。「濃くて新鮮な緑色。ほかのどの場所とも違いました」と真希さんも声をそろえる。そして、青梅というまちそのものも「ここだったら、『ふるさと』になってもいいな、という予感がしたんです」と敬二さん。

    訪問看護事業の経営者である敬二さんはご年配のお客様に、よく「住むなら『歴史のある町』を選びなさい」と言われていたことが心に残っていたのだそう。「青梅には昔からの文化が息づいている感じがしました、古い建物がある街並み、青梅駅の佇まい、お店の雰囲気……。たしかに、歴史がある町は、なんだか落ち着くなあって」。

    親の代から生まれも育ちも、世田谷区という真希さんは、かつて、住むなら「吉祥寺や下北沢」と考えていた。けれど敬二さんのご両親のふるさとである、山梨県笛吹市の田舎まちに行くようになってから考えが変わったという。「自分の田舎がなかったぶん、いいなあと思うようになったんです。山がある場所で暮らせたらと考えていたので、青梅はうってつけの場所でした」。当時、中野区へ通勤していた真希さんにとっては「都心へのアクセスが便利なことも魅力でした」と振り返る。

    そして、ふたりは青梅に住むことを「1日で決断」した。

    居心地のよい距離感と、子育てに最高の環境

    即断即決した青梅。移住後10年以上を経て、困ったことはなかったのか、イメージと異なることはなかったのかと尋ねてみた。おふたりからの返事はキッパリ「一切ありません」。「青梅に来てよかった。いいことしかありません」と敬二さん。「そうですね。お世辞ではなく『想像以上によかった』と思います」と真希さんも笑顔で語る。

    「なんといっても青梅は『ひとがやさしい』んですよ」と敬二さん。「ご近所の方もいつも気にかけてくださいます」と真希さん。「わたしが最初に仲よくなったのは近所のおばあちゃん(笑)。青梅はみなさん、とっても『あいさつ』してくださる。だから自然にしゃべって、自然に仲よくなっちゃうんです。都心ではありえないことですよね」。かといって「深いところまで干渉しない。田舎にありがちな『人の足を引っ張るような感じ』がまったくありません」と敬二さん。「居心地のよい距離感を保てることも青梅の魅力です」

    2021年に、長男の連多郎くんが誕生した秋山家にとっては、青梅は子育てにも「最高の環境」だそう。「みなさんが声をかけてかわいがってくれますし、助けてくださいます。都心と違って子どもを遊ばせる場所だらけですし(笑)」。「待機児童が、ほぼいないことも素晴らしいです」と敬二さん。「わが社のスタッフは産休後、みなさん保育園が見つからないと困っています。ところが青梅は空きがあるどころか、『自分の子どもにあった保育園』を選べる環境です」。

    真希さんも「いくつかの保育園に、見学に行きましたが先生の雰囲気もいいんです。仕事に追われているのではなく、余裕がある感じがして。青梅の保育園なら、安心して子どもを預けられる、と思いました」と語る。しいて言えば、「買い物は多少不便だな、と最初は思いました」と敬二さん。「でもいまはネット通販などサービスが追いついているし、都心での便利はむしろ贅沢。そんなもの、求めなくてもいいんじゃないかと思うようになりました」。それ以上に、「豊かな環境に住んでいる」と考えているそうだ。

    わざわざ出かけなくても、「おうち」と「近所」が楽しい

    平日は仕事が忙しいふたり。でも、青梅に住むと「家にいながらにして、自然を感じられる」ことが、癒しのひとときになっているようだ。敬二さんは二階の窓の近くにデスクを備え、勉強スペースとして使用している。「ここから望む風景がお気に入りです。春には満開の桜、初夏には鮮やかな新緑、秋には紅葉……。遠くに東京スカイツリーも見えるんですよ」真希さんは美しい朝焼けを見るのが楽しみだそう。「朝、ストーブの薪を運ぶときに真っ赤な朝焼けを見て、そのあとゆっくりお茶をするひとときが好きです」

    休日は、「近所にいることが多いですね」と敬二さん。西東京市にいるころは、キャンプに行くことが多かったそうだが、「自然を楽しむならここでいい(笑)。都心のひとがわざわざ行くようなことをする必要がありません。」家のデッキでバーベキューをしたり、永山公園のハイキングコースを散歩したり。「青梅で十分です」。雑貨が好きな真希さんは、休日はお気に入りのショップに行くことが楽しみだそう。「かつて織物の町として栄えた青梅は、ものづくりをしている方が多いんです。手仕事の温かさに触れられる機会が多いのはうれしいですね」と真希さん。「青梅駅近くでアジアを中心に伝統的な製法の生地を使ったアイテムを制作している本町の『KANNOTEXTILE』へよく伺います。我が家に飾ってあるテキスタイルも、こちらのものが多いんですよ」

    家族そろってレストランに行くことも。「夫婦の記念日には河辺にあるフレンチレストラン『プランシエル』、イタリアンを食べたいときは、新町の『ピエモンテ』。我が家の定番が増えてきました」と敬二さん。そして、ふたりが絶賛するのは青梅における飲食店の『接客』。「青梅はどのお店も店員さんがやさしい!」と敬二さん。

    真希さんがこんなエピソードを教えてくれた。「とあるレストランで、子ども向けのランチセットを注文したら、かわいい熊のかたちのハッシュポテトがあったんです。熱かったからすぐに割って、ふうふうして連多郎に渡したら、形が崩れたのが嫌だったのかギャーギャー泣き始めてしまって。もう一度、注文しないといけないかな、と思っていたら……」何も言っていないのに、店員さんは走ってこちらに来て、「もう一度作ってあげるね、って。こちらの問題なのに、あたたかな気遣いがとてもうれしかったです」と真希さん。「美味しくて、ホスピタリティも最高。言うことなしだよね(笑)」と敬二さんも笑顔で語る。

    また、青梅で盛んに開催されているマルシェや、イベントへ出かけることも楽しみのひとつ。「青梅市のLINEインスタをチェックしています。配信もマメで、しかも『行きたくなるような』投稿が多くって」と真希さん。「市役所の若手の方が頑張っているのかな、若手が新しいことにチャレンジできる環境なのかな、と想像しています(笑)」と敬二さん。「町おこしも意欲的に新たな企画を試しているし、市民・移住者へのサービスも充実していると思います。今後を期待しています」

    許容範囲が広く、新旧が循環するまち

    おふたりに、青梅市への移住を考えているひとへのメッセージを伺った。「絶対来たほうがいいです」と敬二さん。とくに移住そのものに対して不安がある人にはおすすめ、だという。

    その理由について敬二さんは「青梅の方は許容範囲が広いと感じています。地域のルールや、排除する雰囲気がまったくないので『移住初心者』にいいのでは」と語る。「移住者に対してウェルカム。昔のものに、新しいものがどんどん入ってよい循環が起きていると思います。とくに自営業者や個人事業主の方にはベストな場所ではないでしょうか」。真希さんは「これから子どもがほしい、子育てしたいという方には願ってもない場所だと思います」と語る。「なにより、それはわたしが日々、実感していますから」。

    今後、敬二さんは青梅市内での事業展開、真希さんは「飲食や雑貨の仕事にチャレンジしてみたい」のだそう。ひとめぼれが「間違いなかった」このまちで、これからも秋山家にとってワクワクする未来が待ち受けていそうだ。

    Profile

    秋山 敬二 | 訪問看護介護事業・メディカルフィットネス事業経営
    秋山 真希 | メディカルフィットネスジム受付事務

    敬二さんは埼玉県入間郡三芳町出身の50代。真希さんは東京都世田谷区出身の40代。2013年から青梅市在住。長男の連多郎くんは4歳。敬二さんは小平市内で訪問看護介護事業、メディカルフィットネス事業を行い、真希さんが受付事務を担当している。ご夫婦と連多郎くんのお気に入りスポットは「永山公園」「わかぐさ公園」「神宮前公園」。

     

    ※取材:2025年11月

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